
「三寒四温」という言葉は知っているけれど、実際にビジネスメールで使おうとすると、どこに入れればよいのか、どの形が自然なのか、迷ってしまう方は少なくありません。
また、「書き出しには使えても、結びの言葉をどうつなげればよいかわからない」「フォーマルな取引先と、少し親しいクライアントで書き方を変えたい」といった悩みも、春先のメール作成では生じやすいものです。
この記事では、「三寒四温」をビジネスメールで使うための基本から、そのままコピーして使えるフォーマル・カジュアル別の例文、メール全文のサンプルまでをまとめています。
春先に送るメールの書き出しと結びが、この記事を読んだあとにはすっきりと整えられるはずです。
「三寒四温」の意味と使える時期
「三寒四温」とは、寒い日が3日ほど続いたあと、暖かい日が4日ほど続くという、周期的な気温の変化を表す言葉です。
もともとは中国北部や朝鮮半島の冬の気候を描写した語が日本に伝わったとされており、現在は春先の時候の挨拶として広く使われています。
ビジネス文書における使用時期の目安は、2月から3月ごろです。
冬から早春への移り変わりを感じさせる言葉であるため、4月以降には使わないよう注意が必要です。
梅が開き始めるころから、卒業や年度末の慌ただしい時期にかけての挨拶として、自然に取り入れられます。
まず使える例文:書き出しと結びの基本形
最初に、もっとも汎用性が高い書き出しと結びの組み合わせを確認しておきましょう。
この型を押さえておくだけで、春先のビジネスメールの大半に対応できます。
書き出しの基本形(フォーマル)
拝啓 三寒四温の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
平素より格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
結びの基本形(フォーマル)
三寒四温の折、体調を崩しやすい時季ですので、どうぞご自愛くださいませ。
書き出しで「三寒四温の候」と使い、結びで「三寒四温の折」と使うのが基本の型です。
ただし、同じ言葉が前後に続くと文章がくどくなりますので、後ほど解説する言い換えも活用してみてください。
相手別・場面別の書き出し例文
取引先・目上の相手へのフォーマルな書き出し
「拝啓」から始め、「候」「折」「時節柄」などの言葉を添えるのが、フォーマルな書き出しの型です。
相手の繁栄や健康を祝う一文を続けることで、礼儀正しい印象を与えられます。
拝啓 三寒四温の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
平素より格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
拝啓 三寒四温の候、皆様にはお変わりなくお過ごしのことと存じます。
平素より一方ならぬお引き立てを賜り、誠にありがとうございます。
拝啓 三寒四温の時節柄、ますますのご清栄をお祈り申し上げます。
いつも大変お世話になっております。
やや親しいクライアント・社外の担当者への書き出し
「拝啓」を省いたビジネスカジュアルな形では、体調への気遣いを早めに織り込むと自然な流れになります。
固くなりすぎず、かつ失礼のないバランスで書けます。
三寒四温のこの季節、寒暖差が続いておりますが、お変わりなくお過ごしでしょうか。
平素より弊社サービスをご利用いただき、誠にありがとうございます。
三寒四温の季節となり、朝夕の冷え込みが続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか。
いつもお世話になっております。
社内向けのお知らせメール・連絡文の書き出し
三寒四温の時季ですね。寒暖の差が大きい日が続いておりますが、皆さまお変わりなくお過ごしでしょうか。
相手別・場面別の結びの言葉
結びの言葉では、「三寒四温」の季節感に加え、相手の健康を気遣う表現をセットで使うのが基本です。
「ご自愛ください」「お体にお気をつけて」「お風邪など召されませんように」などが定番の組み合わせになります。
フォーマルな結びの言葉
三寒四温の折、体調を崩しやすい時季ですので、どうぞご自愛くださいませ。
敬具
三寒四温の不安定な日が続いておりますが、お風邪など召されませんように、くれぐれもご自愛ください。
敬具
三寒四温の時節柄、お体にお気をつけてお過ごしください。
敬具
ビジネスカジュアルな結びの言葉
三寒四温の折、くれぐれも無理のないようお過ごしください。
引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
三寒四温の季節柄、体調を崩されませんようお祈り申し上げます。
何卒よろしくお願いいたします。
春先のビジネスメール全文例
書き出しと結びをどう組み合わせるか、実際の文脈の中で確認できるよう、全文サンプルを3パターン掲載します。
例1:取引先へのフォーマルな依頼メール
〇〇株式会社
〇〇様
拝啓 三寒四温の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
平素より格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、〇月〇日にリリース予定の新製品につきまして、貴社ウェブサイトへの掲載内容確認のお願いでございます。
別添の資料をご覧いただき、〇月〇日までにご回答いただけますと幸いです。
三寒四温の折、年度末でご多忙のことと存じますが、何卒よろしくお願い申し上げます。
敬具
例2:やや親しいクライアントへの案内メール
〇〇様
三寒四温のこの季節、寒暖差が続いておりますが、お変わりなくお過ごしでしょうか。
平素より弊社サービスをご利用いただき、誠にありがとうございます。
早春のキャンペーン開始にあたり、貴社ご担当者様向けのオンライン説明会を開催いたします。
ご多用の折とは存じますが、ご参加いただけましたら幸いです。
三寒四温の折、体調を崩しやすい時季ですので、どうぞご自愛くださいませ。
引き続きよろしくお願いいたします。
例3:社内向けのお知らせメール
皆さま
三寒四温の時季ですね。寒暖の差が大きい日が続いておりますが、お変わりなくお過ごしでしょうか。
来週より、フレックスタイム制度に関する新ルールが適用となりますので、概要を共有いたします。
詳細は添付の資料をご確認ください。
寒暖の差が続く時期ですので、くれぐれもお体にお気をつけてお過ごしください。
避けたい表現と注意点
「三寒四温」を使ううえで、以下の点には注意が必要です。
冒頭と結びで両方使うとくどくなる
書き出しと結び、両方で「三寒四温」を使うと、文章全体として繰り返し感が出てしまいます。
この場合は、片方を言い換えるとすっきりした印象になります。
三寒四温の候、ご清栄のこととお慶び申し上げます。
……
三寒四温の折、どうぞご自愛くださいませ。
結びを「寒暖差が激しい時節柄、くれぐれもご自愛ください」や「季節の変わり目ですので、どうぞお体を大切にお過ごしください」に言い換えると自然です。
4月以降には使わない
「三寒四温」は冬から早春にかけての言葉です。
4月以降のメールに使うと、季節感がずれてしまうため注意が必要です。
4月以降は「陽春の候」「春暖の候」「花曇りの候」などの表現に切り替えるとよいでしょう。
(4月下旬に送る場合)
三寒四温の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
「三寒四温」の言い換え表現
同じ時期に使える類似の時候の挨拶をまとめます。
「三寒四温」を繰り返したくないときや、文体を少し変えたいときに役立ててください。
- 早春の候:早春の時季全般に使える、シンプルな表現です。
- 向春の候:春に向かう時期を表し、2月から3月に使われます。
- 春寒の候:春になっても寒さが残る時期を表します。
- 梅花の候:梅の花が咲くころを指す、風情のある表現です。
- 寒暖差が激しい時節柄:「三寒四温」をより平易に言い換えた表現です。
- 季節の変わり目:もっともシンプルな言い換えで、社内メールにも自然に使えます。
まとめ:春先のメールで迷わないための型
「三寒四温」を使ったビジネスメールの挨拶文は、以下の型を押さえておくと迷わずに書けます。
- 使用時期は2月から3月が目安
- 書き出しは「三寒四温の候+相手の繁栄を祝う一文」が基本形
- 結びは「三寒四温の折(時節柄)+ご自愛ください」がセット
- 冒頭と結びで両方使う場合は、片方を言い換えてくどさを避ける
- フォーマル度に応じて「拝啓・敬具」の有無を判断する
この型を一度身につけておくと、毎年2月から3月のメール作成に役立てることができます。
まずは書き出しの1文だけでも、上記の例文を参考に自分のメールに取り入れてみてください。
季節感のある一文があるだけで、メール全体の印象が整って見えることも少なくありません。